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2021/01/29

パソコンとバッテリー


 パソコンをいつでもどこでも使えるのはバッテリーが内蔵されているからだ。パソコンのモビリティに偉大な貢献をしているバッテリーではあるが、これまたその扱いが難しい。

バッテリーは消耗品

 多くの方はスマホで経験済みだと思うが、バッテリーは消耗品で、使っているうちにだんだんと性能が落ちていく。つまり、新品のときには丸一日使えたのに、2年ほど使っていると半日程度で残り容量が心配になって、昼過ぎには継ぎ足し充電せざるを得なくなったりする。場合によっては内部的な化学変化で膨らむような現象が起こり、ボディの外装に損傷を与えてしまうようなこともあるからやっかいだ。

 多くのメーカーでは、当初の能力の半分くらいになったときを寿命としているようだ。だから感覚としてバッテリーが持たないなあと思った時点で交換すればいい…。

 といいつつ、バッテリーはノートパソコンの筐体内部に直付けされているなどで、その交換は普通のユーザーには無理というもの。結局はメーカーに修理に出して交換をお願いするのが無難だ。ところがそれには時間がかかり、パソコンを使えない期間が発生するし、費用も馬鹿にならない。ざっくり、数万円を覚悟しなければならない。そんなにかかるのだったら、もうしばらくガマンして使って、新しいパソコンを買うことにしようという判断をする方も多い。

 

バッテリー寿命がパソコンの寿命

 結局のところ、本体の処理性能が、その時点で求める処理に追いつかなくくらいに陳腐化するよりも先に、内蔵バッテリーが寿命を迎え、それがパソコンの寿命のような感じになっている。

 今や、交換式のバッテリーを採用しているのはパナソニックのレッツノートシリーズくらいになってしまった。オプションとしてのバッテリーパックを取り寄せて自分で簡単に交換できるし、スペアのバッテリーを用意しておけばモバイルバッテリーなどに頼ることなく長時間のバッテリー駆動ができるなど、いいことずくめなのだが、その交換機構の分だけ本体の重量が増すし、ボディの厚みなどにも影響を与えている。

 バッテリー寿命を最大限に延命するにはいろいろな方法がある。もっとも過酷な使い方は、稼働を続けながら、電源アダプターから電力を供給し続け、100%95%くらいの間を行き来してて充電のオンとオフが頻繁に切り替わる状況が続くことだ。それを回避するために、バッテリーはたとえば80%くらいで充電をやめるという設定ができるパソコンもある。一般に、バッテリーは50%くらいの容量で保管するのがいいとされている。でも、それではいざ外に持ち出そうというときに困る。持ち出すときには満充電であってほしいと、人間は勝手なものだ。

 だから、充電制御はもっとカンタンに切り替えられるといい。たとえば「ワンショットフル充電ボタン」、「今だけフル充電スイッチ」とか…。それなら明日はでかけるという前の晩にフル充電し、パソコンを持ち出さない普段は50%を維持するようにすればバッテリーの劣化を抑制できそうだ。

 在宅勤務が続き、当面はパソコンを外に持ち出す機会がほぼないなかで、ずっと充電しっぱなしの状態が続くと、もしかしたらバッテリーが内部で悲鳴をあげている可能性もある。自衛手段としては充電制御ができるならそれを使うなり、パソコンを使わないときには電源を外しておくくらいのことしかできないのがもどかしい。