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2020/12/09

閉じても眠らないパソコン


 パソコンの挙動は使い勝手に大きな影響を与える。そのひとつがカバーを閉じたときの動作だ。既定の動作はスリープ状態に入るように設定されている。この使い勝手がいいとは限らない。

パソコンは操作していないときにも仕事ができる

 カバーを閉じるというのは、ノートパソコンなどの画面一体型パソコン、いわゆるクラムシェルタイプの筐体をもつもので、その画面を閉じるということだ。多くの場合、作業をし終わったところでカバーを閉じ、次に使うときにはカバーを開いて作業を始めるのではないだろうか。カバーを閉じることで、パソコンはスリープ状態になり、次に開かれるときに備えて待機状態になる。さあ使おうとカバーを開くと、スリープが解除されて復帰し、使える状態になるわけだ。

 最近のパソコンは1秒未満で画面が点灯して使える状態になるので、これであまり不便を感じることはないかもしれない。ただ、スリープ時にはパソコンはほとんど仕事をしていない。それでは困る場合もあるのだ。

 たとえば、OneDriveなどのクラウドストレージに置いたファイルは、クラウドとローカルのファイルが同一になるように同期される。双方のファイルの更新を監視し、新しくなったことを検出したら、該当部分を反映するのだ。スリープ状態のパソコンは、この作業を継続的に行わない。

 もし、別のパソコンやスマホでファイルに変更を加えても、それが即時に反映されないのだ。

 

ACアダプタの接続時にはスリープを禁止する

 そこで設定を見直したいのが、カバーを閉じたときの動作だ。タスクバー右端に表示されている通知アイコンのうち、バッテリーの状態を示すアイコンを右クリックすると、「電源オプション」を設定する画面が呼び出せる。そこでコマンドリンクの「カバーを閉じたときの動作の選択」をクリックすると、「バッテリ駆動」、「電源に接続」の双方の状態のときの挙動を設定しておける。電源に接続しているときには、バッテリの消耗を気にする必要がないので、稼働を続けるようにしておくのだ。

 ここで電源に接続時にはカバーを閉じたときの動作として「何もしない」を設定しておくと、カバーを閉じてもパソコンは稼働を続け、クラウドストレージとローカルのファイルが同一になるように同期などの作業が継続する。スマホはバッテリ駆動時にもずっと作業を続けている。パソコンも将来的にはそういう使い方をされるようになるだろう。

 ただし、カバーを閉じても稼働を続けるということは、誰でもいつでも使える状態になるということだ。万が一のアクシデントを防ぐためにも、使わないときはロックするようにしたい。ロックのためのショートカットキーはWindows + Lだ。