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2020/12/10

知っておきたいクラウドストレージのメカニズム


 アプリで作った文書ファイルには3つの状態がある。その3種類の違いを理解して使うようにしたい。

ファイルの3つの状態

 3種類といっても作成したファイルの種類を言っているわけではない。ファイルのある場所を把握しておこうということだ。基本的に次の3つのうちどれかだ。

 

1.     作ったパソコンにしかないファイル

2.     クラウドストレージにしかないファイル

3.     パソコンとクラウドの両方にあるファイル

 

 1については言語道断で、こうした状態で放置してはならない。パソコンが壊れたら終わりだ。必ずクラウドストレージに同期させるようにしよう。

 2については、Windowsの場合、OneDriveでは、ファイルオンデマンドと呼ばれる機能が提供されている。この機能によって、クラウドに置かれたファイルのリストだけが取得され、あたかもそこにファイルのあるかのように見えるのだが、実体についてはクラウドにしかないという状態になる。ファイルを見つけるところまでは通常と何も変わらないのだが、いざ、そのファイルを開こうとすると、その瞬間、自動的にダウンロードが始まって、それが終わったところで、通常のファイルのように開く。いつ必要になるかわからないようなファイルでディスクの領域を圧迫することがない。

 3については任意のフォルダやファイルを指定して「このデバイス上で常に保持する」を指示したものとなる。この指示を与えたフォルダやファイルは、クラウド側と同期し、常に双方が同じになるように保たれる。きっと必要になるだろうファイルやフォルダだけをこの状態にしておく。頻繁に検索するフォルダなどもパソコンローカルにおいておくべきだ。

 23と似ているのだが、パソコンのディスクが圧迫されてきたときに「空き容量を増やす」ように指示して、任意のファイルをクラウドのみに置かせることができる。また「このデバイス上で常に保持する」を解除すれば、任意のフォルダやファイルをクラウドのみの保持にしてディスク容量を解放することができる。

 これらは、任意のファイルやフォルダを右クリックして表示されるショートカットメニューから設定できる。

 

本当に必要なディスク容量を考える

 これらのメカニズムをうまく使えれば、パソコンのディスクについては、それほど大きなものでなくてもいいということに気がつく。パソコンのストレージは小さいもので256GB程度、大きなものでは1TBを超えるものがある。理想的にはクラウドストレージと同サイズであればいいが、頻繁に使うファイルでない限り、クラウドにあればそれでいいというのなら、256GB程度、余裕をもっても512GBあれば特に不便はないなと個人的には思っている。銀行に多額の現金があっても、それが全部入る財布を持ち歩くわけではないのと同じだ。

 ちなみにぼくは、数十年分の仕事の結果をファイルとしてフォルダに分類して保存しているが、その総容量は50GBちょうどくらいだ。こればかりは、仕事で作るファイルの種類や数に依存するのでなんともいえないが、おおよその目安を自分で確認してみてほしい。

 ただし、写真のファイルについては別管理だ。現時点でほぼ2TBあるので管理はいろいろとたいへんだ。過去の仕事のファイルについては、たかだか50GBなので、インターネットにつなぐことができなくてもファイルを扱えるように各パソコン上で常に保持するようにしてある。

 ちなみにOneDriveは、オプションで「このデバイスが従量課金制ネットワークのときに、同期を自動的に一時停止する」を指定できる。以前は、ギガの節約のためにこの機能をオンにしていたが、今は、そんなことより、少しでも変更を加えたら、即座に同期してほしいし、クラウドへの自動保存も安心なので設定を見直すことにした。過去においてインタビューが終わって、帰り道に、パソコンを開いたら、クラッシュしてOSが再起動し、インタビューのメモファイルが消失したというアクシデントがあった。いつでもクラウドに同期していれば、そんなことが起こっても困ることがない。