Windowsはマルチタスクだが、残念ながらパソコンに向かう人間は一人で、キーボードやマウスを使って直接操作できる対象はひとつのアプリになる。操作するアプリをどう切り替えるかを考えてみよう。
狭いながらも楽しいデスクトップ
Windowsのデスクトップには、複数のウィンドウを開くことができる。そして、ウィンドウはファイルを開く。基本的にはひとつのウィンドウがひとつのファイルに相当すると考えていい。もちろん例外もあるが、まずは、これが原点だ。
広大なデスクトップなら、実用的なサイズにウィンドウを調整し、使いやすいように並べて作業ができる。これは理想だ。リアルなデスクだって同じで、文房具も何も置いていない広いデスクなら作業がしやすいのと同じ理屈だ。在宅勤務などで、大きなダイニングテーブルを独占したりすると、書類作業がはかどったりするのとも似ている。
だが、ノートパソコンの画面ではそうはいかない。ウィンドウを作業しやすいサイズで表示するにはどうしても最大化してデスクトップをめいっぱい使うことになる。
Windowsのタスクバーは、開いているウィンドウを切り替えるためにある。デスクトップの下に横たわるアイコンが並んだバーのことだ。ここには開いたウィンドウのアイコンもあれば、まだ開いていないウィンドウのアイコンもごっちゃになって並んでいる。その中から、切り替えたいウィンドウをクリックすれば、そのウィンドウが最前面に配置されて操作の対象となるわけだ。クリックしたのが未起動のアプリアイコンなら、そのアプリが起動する。
ついでにいえば、ぼくはタスクバーをデスクトップ上部に移動して使っている。ウィンドウのメニューやリボンコマンドの操作と同じように上部に向かって振り上げる動作を統一でき、結果としてマウスの移動距離が少なくてすむからだ。
タスクをうまく切り替える
タスクバーをうまく使うことで複数のウィンドウを行ったり来たりができる。ドラグ&ドロップだってできる。ウィンドウで文字列や図形をつかみ、タスクバー上の別のアイコンの上で静止させると、そのウィンドウが作業対象になって最前面に表示されるので、しかるべき位置にドロップすればいい。まあ、これはややこしいので、普通に切り取りと貼り付けを使う方が簡単かもしれない。
タスクバーには「タスクビューボタン」も用意されている。開いているウィンドウが大きく表示されるので切り替えに迷わない。
さらに、Alt+TabとWindows+Tabのショートカットを活用しよう。どちらも開いているウィンドウを一覧するための操作だ。
Altキーを押し、押した指を離さずに押しっぱなしの状態でTabキーを叩くと、叩くたびに順次ウィンドウが切り替わる。
一方、Windows+Tabは、Windowsキーを押しながらTabキーを叩くとタスクビューボタンを押したときと同じ結果が得られ、開いているウィンドウを一覧できる。いったんキーボードから手を離し、操作したいウィンドウをクリックや方向キーで選択してウィンドウを切り替える。
窮屈なノートパソコンのデスクトップも、ウィンドウの切り替えさえうまくできれば多少は快適になるだろう。