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2020/09/10

パソコンを束ねたパワーは倍返しを陵駕


 パソコン1台の能力が10だとして、2台あれば20になってパワーが倍増する。いや、ここはひとつ掛け算で考えよう。10×10は100だ。

|| 2台だと不便は今は昔

 昔はパソコンが複数台あると管理がたいへんで、かえって混乱しやすいと考える人が多かった。自宅の仕事場に自宅用のパソコンを設置しても、日常的に出先にノートパソコンを持ち出す以上、自宅のパソコンと外出に携行するノートパソコンの中味が微妙に違っていると話がややこしくなるし、両方を最新の状態に保つのはめんどうだから、自宅でも外出先でも最高の相棒として唯一1台のパソコンを使うという意見が大勢を占めていた。
 でも、今は少し状況が変わりつつある。クラウドのおかげで、複数台のパソコンを同じ状態に保つことがとてもラクになったからだ。さっき宅配便で届いて開封したばかりの新しいパソコンも、ちょっとした初期設定をした上で、数時間放置すれば、クラウドとの同期が完了し、いつものパソコンとほとんど同じ環境になる。ちょうど、新しいiPhoneを買ってセットアップしたら、これまで使っていたのと、ほぼ同じ状態のiPhoneができあがるのと同じだ。これもiCloudサービスがあるからできることだ。

|| クラウドと自動的に同期して同じになるパソコン

 作業結果としてのデータも、過去にやりとりしたメールも、すべてクラウドに置きっぱなしというのが現在のトレンドだ。クラウド側がオリジナルで、パソコン側はそのコピーだ。だから真新しいパソコンも、クラウドのデータをコピーすれば同じになる。コピーといっても手動での作業を強いられるわけではない。自動的に同期してくれるので、ユーザー側としては待つだけだ。データをバックアップして、それを書き戻すといった煩雑な作業がないので、本当にラクチンだ。
 スマホのセットアップでは、アプリについても同期してくれるが、パソコンではそうはいかない。Officeなど、日常的に使うアプリについては、パソコンごとにインストールする必要がある。でも、使用頻度の高いウェブブラウザは、その設定を同期してくれる。それだけで作業はかなりラクになった。
 ほぼ同じ環境のパソコンが2台あれば、並べて作業することで広いデスクトップもどきが使えるし、持ち出し用と据置用で異なる体裁のパソコンを併行して使うこともできる。
 マウスポインタやキーボード入力だって複数台のパソコン間を行ったり来たりできる。ちなみにぼくが愛用しているユーティリティはMouse Without Borders だ。ダウンロードはここからできる。 その名の通り、このユーティリティがあれば、並べた複数台のパソコンでキーボード、マウス、クリップボードを共有し、まるで1台のパソコンのように使える。できそうでできないのは、ウィンドウをパソコン間で移動することくらいだ。もちろん無料だ。興味がわくようであればぜひ使ってみてほしい。
 パソコンを新調しても、工夫次第で古いパソコンをまだ活かせるかもしれない。