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2020/08/25

パソコンはシャットダウンするとソンをする


 パソコンでの作業が終わったら、作業結果をファイルに保存し、パソコンをシャットダウンする。多くの人はそう教わってきたかもしれない。でも、それではソンをしてしまう。次に使うときに時間がかかるからだ。

最新のパソコンは起動が速い

 確かに速いのだ。最新のパソコンはシャットダウンしている状態で電源を入れると、おそらく20秒くらいで使える状態になる。古いパソコンだとこれが5分くらいかかったりするので、新しいパソコンに買い替えたときにはびっくりするかもしれない。
 でも、パソコンにはスリープという機能がある。これは、作業中であろうがなんであろうが、今そのときのパソコンの状態を、そのまま保持するもので、スリープからの復帰時には、スリープ直前の状態が目の前に復元される。ノートパソコンの場合、スリープを維持するためにはわずかにバッテリが消費されるが微々たるものだ。スマホの待ち受けは、いわばこの状態だ。
 そしてパソコンでは、スリープからの復帰にかかる時間は長くて10秒くらい。かなり古いパソコンでも数十秒ですむ。起動に5分はかかる古いパソコンでも20秒はかからずスリープから復帰するだろう。最新のモダンスタンバイ対応パソコンなら1秒未満で復帰する。まるでずっと電源が入っていたかのようだ。
 スリープとそこからの復帰を繰り返してパソコンを使うと、結果としてかなりの時間を節約できる。1日のうち、手元のノートパソコンを開いて作業するのは何回くらいだろうか。ずっとパソコンに向かっているわけではあるまい。1回あたり15秒をソンしているとすれば、10回で150秒、つまり2分30秒間を無駄にしている。20回なら5分間だ。一か月続けば数時間になる。
 しかも、15秒も待たないとパソコンを使えないのでは、電車の中で開くのも億劫だし、ちょっとした調べ物にしてもスマホでいいやということになってしまう。パソコンの大きな画面なら発見できたトピックも、スマホの画面では見落とすかもしれない。でも、パソコンを1秒で使えるなら、ホームで電車を待っているときにサッと開いて確認といったことも現実的だ。ちょっとした待ち時間も有効に使える。

スマホのようにパソコンを使う

 誤解を怖れずにいえば、パソコンの再起動やシャットダウンは、させられるものであって、自分から進んでするものではない。ソフトウェアの更新などがあって再起動しなくてはならない場合には、そうしろというメッセージが表示されるので、それにしたがえばいい。自分でさせるのはスリープだけでいいのだ。
 メーカー製のノートパソコンは、液晶を閉じるか、数分間使わないとスリープするように工場出荷の状態で設定されている。だから、パソコンでの作業が終わったら、画面を閉じる。それだけでいい。そして使うときに画面を開く。
 もしかしたら、スリープ状態で数日間放置するといったこともあるかもしれない。それによって、バッテリが思いのほか消費されてしまうこともある。だが、スリープを保持できないほど危険な状態になる前に、最後の力を振り絞ってディスクに状態を書き出すハイバーネートという機能がある。その合わせ技がハイブリッドスリープだ。普通はそうなるように設定されているので心配はない。
 ハイバーネートは復帰にちょっと時間がかかるが、バッテリを消費せずに状態を保持する。未保存のデータなどもちゃんと復帰する。まして、クラウドにデータを保存しているのなら、パソコンの不具合に起因するデータ喪失は起こらない。
 パソコンはシャットダウンせずに、スリープとそこからの復帰を繰り返して使おう。何も教わっていないのにスマホはそういう使い方をしているはずだ。使い終わるごとにスマホをシャットダウンする人はいない。パソコンも同じように使おう。その結果、パソコンを使う機会は増える。悪いことではない。