パソコンでの作業の多くは、何らかのファイルを作る作業だ。明確に保存の作業を行わない限り、作業の結果はなかったことになる。保存したとしても行方不明になるファイルもある。それならファイルの作り方、開き方を変えてみたらどうだろう。
ファイルの在処
パソコンで作業をするとき、最初にするのは何だろう。多くの人は、これから使うアプリを開くのではないだろうか。たとえばExcelを開くと、テンプレート選択と、最近使ったアイテムの一覧画面が開く。その中から、必要なものを選んで作業をスタートするのではないか。
この方法の欠点は、作業結果を保存したり、過去に作ったファイルを参照するときに、そのファイルがどこにあるのかを意識しにくい点だ。自分ではドキュメントフォルダなどの中にある特定のサブフォルダに置いたつもりでも、実際には、まるで関係のないフォルダに保存していることもあるかもしれない。
そのファイル、名前はあるが中味はまだない
明確に、ここにデータを入れるという明確な意志をもって作業を始めるには、アプリを開く前に空ファイル、つまり、中味が空白のファイルを、きちんとした名前をつけた上で作成するといい。ちょうど、新品のノートの表紙にタイトルを書き込むようなイメージだ。
Windowsでは、エクスプローラーのウィンドウ内で右クリックすると、ショートカットメニューに「新規作成」として、作成できるファイルのリストが表示される。ExcelやWordなどが使えるなら、その中にワークシートや文書があるはずだ。任意のものを選べば「新規~」として新しいファイルが作成される。中味は空白だ。そこで最初に名前をつける。そして、編集を始めるのだ。
過去に作ったファイルについては、エクスプローラーでフォルダをたどり、ファイルを見つけたらそれを開けばいい。この方法ならファイルがローカルにあるのかクラウドストレージにあるのかも明確だ。そのファイルをどのアプリで作ったかを意識する必要はない。ファイルは自分自身を作ったアプリと関連付けられていて、アプリが勝手にそのファイルを開いてくれるからだ。
こうしてファイルの存在を個々のアプリではなく、Windowsごしに意識するようにすればファイルの在処を見失いにくい。
もっともパソコンで作業をしている限り、検索機能に頼ることができるので、とにかく保存して放り込んでおけば、なんらかのキーワードを頼りに探し出すことができる。つまり、整理にはあまり気を遣わなくても大きな問題はない。「いい加減」を許容するのがパソコンでの作業だ。