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2021/02/11

あると邪魔だがないと困る


 パソコンはその拡張性が評価される時代があった。USBはいろんな機器を、単一の方法でパソコンに接続する手段として広く浸透した。あらゆるものをUSBで接続することで、パソコンの機能を無限に拡張していけた。でも、今の状況はどうか。

使用頻度が激減する周辺機器

 DVDBDなどのディスクを読み書きする光学ドライブ、デジタルカメラのデータを吸い上げるメモリーカードリーダー、プリンター…。もっとも使う時間の長いパソコンには、いろんな機器がつながっているが、それぞれの使用頻度はここ10年くらいの間に激減している。

 アプリをディスクで購入することもほとんどなくなり、光学ドライブについては使うのが購入した音楽CDを読み取ってデータにするために使うことがほとんどだった。しかも、2017年夏に思い立ってCDの購入をやめてサブスクリプションに移行したことで、よけいに使用頻度が低くなった。

 カメラのデータは今もリーダーを使って読み取らせているが、撮影直後にデータはスマホに送られ、スマホはそれをクラウドに保存するので、これも頻度としては低い。仮にリーダーがなくてもカメラとパソコンをUSB接続すればすむはなしだ。

 プリンターについてはほとんどの取引先が請求書のPDF送付を認めているので、以前のように紙に印刷してハンコを押して郵便で送付ということをしなくてよくなったため、これまた使用頻度は低くなっている。

 

 

オールインワンは古い

 周辺機器というのはパソコンよりもライフサイクルが長い。モニターディスプレイなどもそうだ。パソコンは何度か買い替えたとしても、周辺機器はそのまま使い続けることが多い。そして、それで何の不満もない。

  今、パソコンに内蔵されていないと困るのは、オンラインミーティングのためのカメラとマイクとスピーカーくらいだろうか。さすがにこれらが内蔵されていないノートパソコンは不便だ。それでも外付けはできる。

 だから、パソコンの購入時に、もしかしたらいつかは必要になるかもしれないと、各種の装備を欲張らなくても大丈夫だ。いつかはこないかもしれないのだし。

 本当に必要なものは外付けの周辺機器として、別途調達すればすむ。内蔵されていないと万が一のときに困るという気持ちは理解できるが、たいていは代替の手段があるものだ。本当に困ることがあるのなら、困る場所に置きっぱなしにしておこう。

 たとえば、HDMI出力のないパソコンでプレゼンテーションしなければならないことが多いなら、会社のデスクや会議室にType-Cから映像出力してHDMIに変換できるケーブルを置きっぱなしにしておくといい。

 周辺機器の多くはあると邪魔だ。でもないと困るなら、困る場所のすべてに置いておけばいい。日常的に使わないものを持ち歩く必要はない。