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2021/01/26

パソコンとそのカタチ


 ノートパソコンとひとことでいっても製品ごとにその形状は少しずつ異なる。オーソドックスなクラムシェルタイプでも、微妙に差別化されていたりもする。ということで、ここではノートパソコンの形状について考える。

基本はクラムシェル

 かつて、ノートパソコンは、ラップトップパソコンと呼ばれていた。ノートというには厚みがありすぎたからだ。今はずいぶん薄く軽くなった。膝の上で使うにも苦痛は皆無だ。

 ノートパソコンといって最初に思い浮かぶのがオーソドックスなクラムシェルタイプのパソコンだ。液晶画面とキーボード画面がヒンジでつながっていて、それを内側にして、閉じたり開いたりして使う。その様子が二枚貝の貝殻のようなイメージだからこう呼ばれている。

 クラムシェルノートで注目したいのは、液晶画面をどのくらい向こう側に倒せるかだ。どんどん倒していってキーボード面と平行になるまでペタリと倒せるものが使いやすい。好きな角度で使えるので、天井の灯りが反射したり、自分の顔が映ったりするのをうまく回避できるからだ。

 キーボードと平行な状態を通り過ぎ、そのまま倒していって、キーボードの裏側まで折り返せるものもある。こちらは、タブレットにもなるという言い方をされる。ここでクラムシェルから2-in-1という呼び方に変わる。そしてタブレット風に使うためにタッチ対応が必須となる。通常のクラムシェルでもタッチに対応している製品もあるが、決して多くはない。

 2-in-1はノートパソコンとしてもタブレットとしても使える。360度折り返せる様子がヨガのようだということで、レノボ社はこの仕組みにYOGAという名前をつけたが、同じ仕組みのノートパソコンは、ほぼ同時にパナソニックのレッツノートが製品化しているし、今は各社に同様の機構を持つ製品がある。一般的にはコンバーチブルタイプと呼ばれている。

 

キーボードを脱着することはほとんどない

 さらに、液晶とキーボード部分を分離してしまえるものもある。こちらはデタッチャブルタイプと呼ばれている。薄型キーボードがカバーを兼ねるMicrosoft Surfaceのような製品は、ピュアタブレットというかデタッチャブルノートパソコンというかが難しい。

 個人的にパソコンはキーボードがあってこそだと思っているので、本体と液晶部分が分離できるデタッチャブルにはそれほど魅力を感じない。ただ、液晶を裏側に折り返せるのは何かと便利だ。テントスタイルとも呼ばれているが、逆V型にして立てればフットスペースも最小限になり、手前にキーボードがない状態で使えるので、外付けキーボードで使うのにも便利だし、映画などのコンテンツを楽しむときにもカジュアルでいい。

 ちなみにノートパソコンをタッチ対応させると重量がかさむ。また360度折り返せるヒンジも一般的なものより重くなる。気軽に使いたいタブレットこそ軽くあってほしいのだが、オーソドックスなクラムシェルより重いことを受け入れなければならないのは皮肉な話だ。ただ、裏まで折り返せないオーソドックスなクラムシェルノートパソコンでも、タッチで操作できるほうが便利なことはいうまでもない。

 このほか、新しい形状として、液晶を二つ折りにできるノートパソコンも登場している。