もう一台のパソコンをモニターとして使う
パソコンが2台あると何が便利か。とりあえず、ひとつは、用途に応じた使い分けができる。たとえば大きなパソコンと小さなパソコンがあるなら、持ち歩きには小さなパソコン、据置には大きなパソコンを使えばいい。いわゆる適材適所だ。
だが、せっかく2台のパソコンが自由に使えるのだから、両方を同時に使ってみよう。その利用形態はいろいろあるが、もっともカンタンでわかりやすいのは、片方のパソコンをもう片方のパソコンの拡張モニターにすることだ。
Windowsパソコンに、セカンドモニターを追加すると、次の4つの選択肢からその用途を選ぶことができる。
l 使わない(PC画面のみ)
l 複製
l 拡張
l セカンドスクリーンのみ
このうち「拡張」は、パソコンの画面を増やすもので、住宅でいえば作業用に母屋に加えて離れを作るようなものと考えればいい。2台のパソコンがあるなら、どちらか1台のパソコンを拡張用のセカンドモニターとして使うことができる。パソコンとしては入力された映像を画面に映すだけなので、さほど大きな負荷もかからない。処理に影響するのは映像を送る側のパソコンの性能だ。だから性能の低いパソコンの方をモニター代わりにするといいだろう。
Wi-Fiで映像を送信する
ここでは、片方のパソコンからWi-Fiでセカンドスクリーン映像を送り出し、もう片方のパソコンで受信して表示するようにしてみよう。
設定方法はそれほど難しくはない。
受信側となるWindows 10パソコンの設定アプリを開き、「システム」の「このPCへのプロジェクション」で「このPCへのプロジェクションのために”ワイヤレスディスプレイ”のオプション機能を追加する」にある「オプション機能」を選び、「機能の追加」で「ワイヤレスディスプレイ」にチェックをつける。それだけでしばらくするとインストールが始まり、完了すると機能が有効になる。この作業は最初だけだ。
機能が有効になったら、設定アプリの「システム」で、「このPCへのプロジェクション」に「このPCへのプロジェクション用の接続アプリを起動します」というコマンドリンクが表示されているので、それを開くと、接続アプリがフルスクリーン表示される。「×××にワイヤレス接続する準備ができました」と表示されているはずだ。xxxは受信側になるパソコンの名前だ。受信側の準備はこれだけだ。
さて、次は送信側。こちらは設定アプリの「システム」で「ディスプレイ」の中に「ワイヤレスディスプレイに接続する」というコマンドリンクがある。Windows + P(プロジェクションのP)を押してもコマンドリンクを表示できる。それをクリックすると、先のxxxが表示されるので、そこに接続すると、あたかもモニターを追加したかのような状態になる。
この状態で、Windows + Pを何度か押して、「拡張」になるようにしよう。位置関係は設定アプリの「ディスプレイ」で配置変更できる。上下左右、並べたパソコンと同じになるように設定しておくといい。
映像の伝送にはWi-Fiを使う。だから、操作に対して画面の表示のタイミングが微妙に遅れる。マウスカーソルの追随も同様だ。それでもないよりはずっと便利だ。受信側の接続アプリはその設定で「ゲーム」「作業」「ビデオの視聴」を選択できるので、「ゲーム」を選ぶと多少は違和感がなくなるかもしれない。