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2020/07/29

デジタル化した音楽コンテンツとその購読サービス


 最後に音楽CDを買ったのはいつだったかなと思ってアマゾンの注文履歴を調べてみたら、 2018年7月31日にPerfumeのFuture Pop(完全生産限定盤)を注文したのが最後だった。LPの時代から、多いときには月に10枚くらいは買ってきたことを考えると大きな変化だと思う。


CDから聴き放題サービスへ

 音楽を聴かなくなったわけではない。それと入れ替えるように2019年になって音楽聴き放題のサービスである Amazon Music Unlimited に加入し、さらにその秋には音質が高いAmazon Music HDがサービスインしたので1,000円/月の追加で移行した。本来は1,980円/月のサービスだが、もともとアマゾンのプライム会員なので200円/月分割り引かれ、さらに1年分を前払いすると2ヶ月分が割り引かれるので、17,800円/年のサービスだ。プラン  はいろいろあるが、とりあえずCDと同等の音質で聴けることを前提として考えた。一般的なCDは3,000円前後だから、年間6枚程度のCDを購入するのと同じくらいの価格だ。

音楽の価格破壊

 どうしてリアルなコンテンツメディアであるCDを買うのをやめたのか。それは、整理するのがめんどうくさくなったからという、実に単純な理由だ。
 買ったCDは、封を切ったらすぐにパソコンに取り込み、取り込んだデータをスマホにコピーし、聴くのはもっぱらそればかりで、CDパッケージは適当に積んでおくだけという状況が15年くらい続いていた。聴き放題のサービスを利用することにしたことで、パッケージを所有することはできなくなったが、スペースの確保に悩むこともなくなり、会費を払い続ける限り、音楽を聴く権利は保持できる。自分で整理する必要もない。もうそれでいいんじゃないかと思ったのだ。
 リスクとしては、パッケージが手元にないということで、死ぬまでサービス料金を支払い続けなければならないということがある。あとどれだけ生きるかわからないが、仮に30年生きるとして50万円くらいだろうか。CDパッケージでいうと200枚分くらいだ。
 ぼくが生まれて初めてシングル盤レコードをなけなしの小遣いをはたいて購入してからほぼ半世紀が経過したが、2018年にパッケージ購入をやめるまで、LP、CD、LD、DVD、BDとメディアは変遷してきたものの、ざっくりいうと約700枚のLPレコードと、約3,000枚のCDを購入したことになる。かけたコストとしては1,000万円程度だろうか。50年前からこうしたサービスがあったら、1/10程度の金額で同等の量の音楽を楽しめたはずだ。とまあ、細々とコストの計算を始めると、いろんな面で価格破壊の一種だなということがよくわかる。